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最高裁判所第三小法廷 平成3年(オ)1964号 判決

上告人

篠原貞子

右訴訟代理人弁護士

寺沢勝子

河村武信

川西渥子

国府泰道

大江洋一

被上告人

右代表者法務大臣

三ケ月章

右指定代理人

小山田才八

右当事者間の大阪高等裁判所平成元年(ネ)第四六六号地位確認等請求事件について、同裁判所が平成三年九月一七日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立てがあった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人寺沢勝子、同河村武信、同川西渥子、同国府泰道、同大江洋一の上告理由について

所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、原判決に所論の違法はない。右の事実関係の下においては、所論のように、本件契約に雇用契約に類する面が認められないではないものの、原審認定に係る上告人の担当業務の内容、従前の契約の更新状況、さらには今回の契約締結の際の経緯等からして、本件契約が期間の満了によって終了し、上告人に右の契約が期間経過後も更新されることを期待するについて法的に保護されるべき利益はないとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。また、所論引用の判例は、事案を異にし本件に適切でない。論旨は、原審の専権に属する事実の認定を非難するか、又は独自の見解に基づき若しくは原判決を正解しないでこれを非難するものにすぎず、採用することができない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 園部逸夫 裁判官 佐藤庄市郎 裁判官 可部恒雄 裁判官 大野正男 裁判官 千種秀夫)

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